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正直に話すと、最初はどちらの時計にもそれほど心を引かれなかった。

時計としては定番モデルをベースとした、よくあるカラーバリエーションだ。実際につけてみたわけではないので、あまりネガティブなことは言いたくないが、43.5mmというケースサイズも筆者の好みからすると少し大きいところが気になった。ブランド時計 コピーでは、本機で見るべきところはどこだろう? そこで注目したのが、搭載ムーブメントだった。

2020新作 IWC ポルトギーゼ・トゥールビヨン レトログラード・クロノグラフ IW394005

ポルトギーゼ・トゥールビヨン レトログラード・クロノグラフ
Ref:IW394005
ケース径:43.5mm
ケース厚:16.0mm
ケース素材:18K Armor Gold®
防水性:3気圧
ストラップ:ブルーカーフレザー
ムーブメント:自動巻き、Cal.89900、毎時28,800振動、フライングトゥールビヨン、レトログラード式日付表示、クロノグラフ、68時間パワーリザーブ
仕様:シースルーバック
限定:世界限定50本、ブティック限定

6時にフライングトゥールビヨン、9時にレトログラード日付表示、12時には60分(外周部)と12時間(内周部)のクロノグラフ同軸積算計を装備する「ポルトギーゼ・トゥールビヨン レトログラード・クロノグラフ」。ムーブメントは「ダ・ヴィンチ」コレクションの同機能モデルにも使用される、自社設計・製造の自動巻きCal.89900。時計の完全停止が可能な停止機能付きトゥールビヨンなので秒単位での精確な時間設定が可能だ。ケースには微細構造の改良で従来のレッドゴールドよりも大幅な高硬度を実現した18K Armor Gold®を採用。世界限定50本。同じ限定本数のプラチナケースも用意。いずれも世界のIWC直営ブティックのみでの展開となる。

 パイロット・ウォッチ・クロノグラフに搭載されているCal.79320は、ETA 7750をベースにした自動巻きクロノグラフだ。さまざまなブランドが古くから採用するクロノグラフムーブメントの名作である。それこそIWCでも多くのモデルに見られ、その第一世代となるCal.790は1980年代から使用されていた。「なんだ、7750ベースのありふれたものか」と侮ってはいけない。同ブランドが使用する7750ベースのクロノグラフは外部から調達したものをそのまま使用しているわけではなく、自社でチューンナップを施した上で各モデルに搭載されてきたのだ。古くは1991〜93年ごろに使用されていたCal.7901から早くも自社でアッセンブリが行われるようになったと言われ、1998年に登場(1996年説もあり。2004、2005年まで採用)したCal.7922ではETAのトップグレードのものをベースに、精度の精密な微調整が可能なトリオビス緩急針に変更して使用した。このような改良を施すのはIWCを含めてごくわずかのブランドしかない。

 Cal.79320は前述のCal.7922の後継ムーブメントで、登場は2005年(2003年説もあり)から。Cal.7922との違いは仕上げが金メッキからロジウムメッキへと変更された点だ。パイロット・ウォッチ・クロノグラフに関して言うと、2006〜2012年にかけて製造されたIW3717シリーズに使用され、2012年から製造されている現行のIW3777シリーズ(現行のものは、2016年にデザインが変更された後継機となる)でも採用されている。

 ここで注目したいのが、Cal.79320の扱いである。Cal.79320は、かつてポルトギーゼ・クロノグラフにも使用されていた(正確に言うと、ポルトギーゼ・クロノグラフが採用したのはCal.79320ベースのCal.79350)が、2020年(正確には2019年末)に自社製のCal.69355を搭載した現行コレクションが登場すると、エボーシュベースのポルトギーゼ・クロノグラフは翌年にディスコンになっているという点だ。

 昨年のことだ。時計好きなら覚えているだろう。パイロット・ウォッチ・クロノグラフも昨年、自社製ムーブメント(Cal.69385)を搭載した41mmモデルがコレクションに加わっているのだ。ポルトギーゼ・クロノグラフは新旧とも同サイズ、片やパイロット・ウォッチ・クロノグラフは43mmと41mmというサイズの差があり多少状況は異なるが、外見上はほとんど同じなのだ。わずかにサイズが違うだけのモデルがこのまま併売されていくのだろうか? これはあくまでも筆者の予想に過ぎないが、43mmのパイロット・ウォッチ・クロノグラフは近々ディスコンとなるのではないかと思っている。 そう考えるに至った理由はもうひとつある。

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